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『受験生ブルース』『主婦のブルース』『25年目のおっぱい』などユニークな歌を作って歌う中川五郎が最も渡らしい歌『系図』を歌っている。この曲は三木卓の詩に渡が曲をつけたもの。三木卓の詩に五郎さんも曲をつけ、渡とは別の曲を作って歌っている。その辺の事情はライナーノーツに詳しい。

今日の歌はちょっとコメントしづらい。
大庭珍太さんが歌う『ヘイ・ヘイ・ブルース』。
詩については以前紹介した。
ヘイ・ヘイ・ブルース
その他『おなじみの短い手紙』『失業手当』など、
渡はラングストンヒューズを取り上げいくつか歌にしている。
僕がよく聞いたのは『失業手当』。
たんなる恋愛詩? と思って、その良さがあまり解らなかった。
しかしよく考えてみたまえ。
君がラングストン・ヒューズの時代のアメリカに生きていて
しかも君が黒人だったとしたら。
君もきっと思うに違いない。
いや、きっと似たようなことを君だって体験しているに違いない。
「僕は黒人だが、するって〜となにかい。
黒人だから人並みに愛の歌も歌えないってことなのかい?」
こんな風な感じでラングストン・ヒューズを読み直してみると、
また全然違った、味が出てくるのだ。
彼もまたアメリカを歌った。
暗い部分のアメリカを。
でもその魂はそれを乗り越えて
明るい。
アメリカというと僕にとってはラングストンヒューズ。
ぼくもまた、
アメリカをうたう。
ぼくは色のくろい兄弟だ。
お客がくると、
台所で食事をしろと
かれらはぼくを追いやるが、
ぼくは笑い、
よく飯をくい、
強くなるんだ。
明日は
お客がきても、ぼくはテーブルにすわるんだ。
きっとだれも、
「おまえ台所で食事をしろ」と
そのときあえて言ったりはしないだろう。
そのうえ、
かれらはどんなにぼくが立派かわかり、
恥ずかしくさえおもうだろう、
ぼくもまた、
アメリカなのだ。
そんなこんなで、
このブルースを聞いてほしい。
大庭珍太48歳。
彼もまた、渡の崇拝者であるに違いない。
ご機嫌のこのブルーズを今夜は君に捧げたい。

忘年会シーズンだからという訳ではないが、今日は佐久間順平さんが歌う渡のこの曲。『酒が飲みたい夜は』。佐久間順平さんといえば林亭。詳しくは幻泉館さんに語ってもらうことにして。池袋のシアターグリーンで行われていたホーボーズコンサートなんかで活躍されていた。器用な人で楽器ならなんでもこなす。特にフィドルなんかを手にすることが多い。今日はこの曲、詩は詩人の石原吉郎さん。いまさら何も付け加えることはあるまい。たっぷりとこの詩を味わっていただきたい。特に気に入ってるところはやはり「夜明けは誰の 葡萄の一房だ」というところ。どうすればこんな言葉がでてくるんだろう。やはり詩人は詩人。さあ酒でも飲むとするか。
酒が飲みたい夜は 酒だけではない
未来へも口をつけたいのだ
日の明け暮れ うずくまる腰や
夕暮れとともに沈む肩
血の出るほど 打たれた頬が
そこでもここでも まだ火照っているのに
うなじばかりが 真っ青な夜明けを
真っ青な夜明けを待ち望んでいる
酒が飲みたい夜は ささくれ立った指が
着物のように着た夜を剥ぐ
真夜中の大地を 掘り返す
夜明けは誰の 葡萄の一房だ
酒が飲みたい夜は 酒だけではない
未来へも口をつけたいのだ
日の明け暮れ うずくまる腰や
夕暮れとともに沈む肩

なぎら健壱の歌も捨てがたい。TVでおなじみの愉快なキャラクターだが、うたも愉快な歌が多い。♪いっぽんでもにんじん♪とか。しかし彼はれっきとしたフォークシンガー。♪だけど僕はフォークシンガー♪なんて歌ってるのをどこかで聞いたことがある人は少なくないはず。彼には二面性があるように思えてならない。フォークソングを歌うとき彼はきわめてシリアスだ。そんな感じでこの歌『すかんぽ』を歌っている。ヨアヒム・リンゲルナッツの詩に渡が曲をつけたものだ。皆さんは知ってるだろうか、すかんぽ。スイバともいうらしい。誰も見向きもしない、弱い草。噛むとすっぱい味がするそうだ。なんとも人生はすっぱいものか、と思う今日この頃でR。

朝起きると三条河原町の六曜社に行って起き抜けの一杯。本屋や洋服屋を冷やかした後、さくら食堂で飯を食い、三条堺町のイノダにいってまたコヒー。夕方になって中川五郎と待ち合わせてマップや進々堂という喫茶店へ行き、十字屋でレコードを漁り、同志社大学の学食で夕食を食い、その帰りに喫茶店わびすけに顔を出し、最後に六曜社でまたコーヒー。ひとり部屋に帰って、ぼそぼそ詩を書いたりレコードを聞いていたようだ。そんな毎日のなかで出来たのが、このコーヒーブルースらしい。中川五郎は同志社大学の学生だったらしいが、まったく学校へはいかないで渡とつるんでいたらしい。♪三条へいかなくちゃ 三条堺町のイノダっていう珈琲屋へね あの娘に逢いに なに 好きな珈琲を少しばかり♪(『バーボン・ストリート・ブルース』 高田渡より)僕もコーヒーは好きで日に4、5杯は飲む。若いときはもっと飲んでいた。それもこれも渡の物まねだった。喫茶店へもよく行った「波留」。田舎のコーヒーや。最近はコーヒーを飲まないとよく眠れない。

としまえんに「ユナイテッド・シネマ」ができたというので、『80デイズ』を観に行ってきた。カミさんと坊やが観たいというので仕方なく付いていったのだが、予想に反して面白かった。理屈抜きに楽しめる。ストーリーは世界を80日間で回ってこれるかどうかを賭ける。冒険もの。主演はジャッキーチェンだが脇役に徹してる。そして一組のカップルが主演というのだろうか? 様々な困難を乗り越えるうちに友情が恋に。まあ語ってしまえば単純だが、そこがいい。発明博士のキャラクターが最後は泣かせる。すがすがしいラブストーリーとも言える。この映画が初めてという女優さんの笑顔と明るい性格が素敵。シュワちゃんもゲスト出演してる。あとは皆さんもよかったら観てね。オフィシャルはこちら、80デイズ オフィシャルサイト : HERALD ONLINE。それから字幕が出てくるときの音楽。デズニーで有名な『小さな世界』。ダンスミュージック風にアレンジして歌っている。英語の歌が妙にかっこよく聞こえたのは自分だけか? 誰が歌っているんだろう。

俺は、小学校の時から良く家出をした。中学の時には田舎のクラブに入り浸った。高校の時、酒も煙草も女も覚えたが、ベスという人にサックスを教えてもらった。それから、俺の人生はズージャにはまった。運命の出会いであった。そのうち下手な曲も作るようになり、いつか教えてもらったベスに借りを返そうと思って、片道の汽車賃だけを持って東京へ向かった。怖かった。往復の切符があったら、すぐに引き返してたに違いない。東京の上野のライブハウスでサダナベがオーディションをしていた。サダナベトリオのサックス奏者を捜していたのだ。運良くそれに合格したが、さっそくその日から仕事だった。休んでるときは仕事しろといわれ、仕事しようと思うと休んでいろと言われた。それでも俺は頑張った。そして十年、俺は独立しようとしてる。優秀な仲間を捜しているのだ。ばお〜。俺に音楽を教えてくれたベスに借りを返さなくていけない俺は俺の音楽をやりて〜。ばふ〜。今がそのときさ、ばふ〜。



















